諦めないために諦める
あいも変わらず制御実験をしていたら、ある時スイッチを入れても動かなくなった。
原因を調べているうちに、制御ボックスから変な臭いが。
…おかしい、基盤はどこも熱くない。
と思っていたら、制御ボックス用電源の電池がむちゃくちゃ熱い!

火傷に気をつけて、電池を外していく。
どうやら電池ボックスがショートしたらしい。
今のうちに見つけて置いてよかったよ、人前に出す前に対策が練れるからね。

あいやー、本当に電池ボックスも溶けてるよ…破裂しなかったのが不幸中の幸いか。

絶対にショートしないよう、全体を覆う電池ボックスと絶縁カバーつきの接続プラグをつけてやる!

気を取り直して、カメラをつけた状態での動作実験。

それ!

あ、それ!

はい、この制御実験で、モーターの歯車が3コ破損しました。
ちなみにこのギヤつき小型モーター、一個約3000円で購入したはずです。
最近出回っている、ほぼ同じ規格の物は一個4000円を超えます。
まいったねー、こうも実験でバキバキと何千円もする物体を破壊していると、いくら金があっても足りない。
どうするべか…。
…。
……。
………。
そういえば、何で俺はあの強力なモーターと、機械加工にこだわったんだっけ?
もともとは田宮のギヤーボックスで何とかなるだろうとタカをくくっていたのだ。
そうだ、仕事を肩代わりさせようとしたからだ。
だけど、それでもうまくいかなかったし、大体、仕事で使っているロボットも結構手を焼く存在なのだ、そういうわけで仕事を肩代わりさせる企みは断念したのだ。
そうか、諦めればいいのだ。
ってなわけで、

解体。

とりあえずこれを作る事を目指そう。

車台を作る。
ハーフトラックっぽいのはご愛嬌だ。

車台でテスト。

ガラクタに埋もれた、タミヤのギヤボックスを発掘して腕の部分の製作。
無理なく作れる部品だけ、工作機械で作る。

吉祥寺で部品の補充。

要はこれを結合させればいいわけだが…。

とりあえず腕を繋げた。

車台を結合。
これだけ見ると簡単そうに見えるが、繋ごうとする場所がぶつかったりして結構時間がかかる。
この日も夜遅くなってしまった。

後は、この腕がタミヤの安価なギヤボックスで動いてくれればいいのだが。

配線完了。

接続。

ウインドウズ起動。

制御ソフト起動。
カメラの起動に手間取ったが、何とか起動。

えーと、舵取り機構を直す必要がありますな。
とりあえず、目の前の袋の切れっ端でもつかんでみますか。

慎重に右腕を下げる。

もうちょっと。

さらにもうちょっと。

それにしても、カメラは映っているのだけれど、ぜんぜん腕の先が映らない。
後で調整しないとな。

右腕を袋に近づける。

もうちょっと。

もうちょっと…。

えーと、つめを閉じるのはどこを操作するんだったっけな。

それ、閉じろ。

…。

……!

やたああああああああああああああああああああああああああああああああああああ

やったあああぁぁぁ、やっとものをつかめるところまで来たぞおおおおおお!!!
この調子で頑張るぞおおおおぉぉぉぉぉ!

と言うわけで、ソフトウェアの開発を始めるぜ!!!