漢らしい光センサ

 俺は半田付けでいつも四苦八苦している。
 具体的には、半田付けを開始したこと自体が苦しみの始まりである。
 最初はうまく動いていてもだんだんおかしくなってしまうのも苦しみである。
 まともに動かないのも苦しみである。
 壊れてしまうのも苦しみである。
 この四つの苦しみがあり、さらに、
 間違った部品をくっつけてしまう苦しみがあり、
 せっかくくっつけた部品が半田付けの最中に再び外れてしまう苦しみがあり、
 必要な部品が見つからない苦しみがあり、
 このように思い通りに行かないことにいらいらする苦しみがある。
 この後者四つの苦しみを合わせて八苦、これこそ半田付けの四苦八苦である。
 うん、大学で勉強していることは確実に俺にみについているようだな、善哉善哉。

 えー、まぁ、そういうわけで、光センサを作るのも一苦労というわけだ。
 光センサーに限らず、多くのセンサーというやつは、制御できる電流がほんのちょっとだけだったりするものだから、そのほんのちょっとの電流が流れたら別の場所から大量の電流を流してやらなければならないのだ。
 大雑把に書くと左図のようになるのだが、俺の場合、結構運に任せて作っているんだよねぇ。
 だいたい、その手の本とか、電子工作キットとかの回路図を見ても、意味不明にコンデンサーとか抵抗がくっついていて、意味不明なんだもの、経験と勘で作るしかない。
 そうして、俺の電子部品の入っている箱には大量のガラクタが…しかも尖っているやつが。
 だがある日、俺は阿弥陀様の光に気づいた。
 おそらくは昔から俺の下に光は照らされていたのだろうが、今それに気づいたのだ。
 具体的には、風呂に入っているときに何となく考えていたら。

 こうして俺は体からモヤモヤしたものを出しながら、某アニメでザクV改を駆り出撃するマシュマー宜しく高笑いしながら半田付けを開始した!
 その時の回路図が左図!
 ちなみに、このとき使用したセンサーは「TPS611」だ!
 この闘い、勝てる!
 ぬはははははははは!
 実際にこの回路で、部屋の蛍光灯の光の有無でパソコンが反応する程度にプリンタポートのBusy端子の電流を制御できる事が分かったぞ!!!

 …と、いうわけで、一応の成功を見たこの回路だが、さすがにこれだけだと低機能過ぎるので、改良を試みた。
 のが、運の尽き、故障!
 邪心が失敗を生んだのかもしれない…。


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