退職願

今日は月曜日。
泣きながらこの日を待ったものだ。
「逃げるような会社の辞め方は止めろ」と言っていた先輩が、長い出張から帰ってきた。
そして11月25日の金曜日、仕事から帰ってから一緒に飲みに行った。
「逃げるような会社の辞め方は止めろ」
これだけが心の支えだった。
職場転換だの色々とあったが、時にはついに倒れそうになる時もあったが、俺は何とか持ちこたえ、この会社にとどまった。
「よく頑張った」と褒めて欲しかったのだ。
が、俺は苦しさを紛らわすためにキャバクラや風俗に金を使いはじめていた。
先輩はそれを咎め、終始憤然とした表情で、先に帰ってしまった。
…。
自分がここまでして会社にとどまったのは、何の意味があったのだろう?
もう、この会社にとどまる意味がない。
…。
こんな会社辞めてやるぢょおおおおおおぉぉぉぉぉぉ
…。
そういうわけで、夜勤の始まり、会社の着替えのロッカーで上司を見つけたので「会社を辞めたいので財形貯蓄を下ろす紙を下さい」と言った。
後、説得された。
お前を必要としている人間がたくさんいると。
コンピュータの立ち遅れたこの会社ではそれなりの知識を持っている自分が必要だと。
お前が片手間で作ったエクセルのマクロが会社のあちこちで使われていると。
やっと、自分を褒めてくれる人がいた。
それが嬉しかった。
「じゃぁ、財形貯蓄の紙はどうする?」
俺は紙を要らないと言い、とどまる事にした。
これからは一人のためじゃない、みんなのために頑張るのだ。
そして、あの先輩には、さようなら。
縁があれば、再び手を取り合うこともあるだろう。

これは私からあなたへの 初めてでほんとの さよなら
誰よりも好きだった ただ一人のあなたへの さよなら
(岩男潤子 題名忘れた …より抜粋)

…。
ちなみにその話のついでに睡眠薬を飲んでいる事を話した。
その若さで睡眠薬を飲むのはどうかと思うと言う回答だった。
飲まないで見て、どれだけ頑張れるか試してみると良い、そう言われた。
どうしようか、このロラメット…。

2005/12/3 診察三十三回目

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