宣戦布告

自分が妄想との本格的な戦闘を開始したのは、確か小学校高学年、エホバの証人の地域大会に出席している最中である。
もうそれこそ小学校一年生のガキの頃から妄想は動いていたのだが、こちらに敵意をむき出しにして襲い掛かってきたのは、これが初めてであった。

 新横浜にある、横浜アリーナの中央で兄弟が講演をしている。
 それを一万を超える規模で見、ノートを取る観衆。
 自分も例外ではなかった。

 突然、それはやってきた。

 赤い色の龍が、こちらへ向かってくる!

 この妄想の元ネタを知っている、おそらく某デパートの屋上にあったアーケードゲームのグラディウス(どの版かは知らん)というゲームに出てきた赤龍だ。
 それが今、席に座っているこちらに向かってきている!
 自分のそれが妄想から出たものだとは気づいていた。
 だからこそ、誰にも言えなかった。

 妄想だから気にしないで済んだらどれだけ楽な事か。
 だが確実に、その恐怖は迫る。
 もしあの妄想に襲われたら、一体自分はどうなるのだろう?

 どうしよう、どうすれば良い…?
 そうだ、迎撃だ!
 妄想には妄想、毒には毒を持って制する、だ!

 僕は指を敵の方向へ向けた。

 くらえ!

 自分の指から発射されるレーザーが赤龍を引き裂き、消してゆく。
 新たに複数の敵が現れるが、同じ事よ!
 大戦果だ。

 こうして自分は、自分に襲い掛かる妄想への対抗手段を持つ事となった。
 だがそれは長き戦いへの序章に過ぎなかった。


 本当、早く医者に行くべきだった_| ̄|(((○

2004/10/2 初診

戻る